よく聞かれる質問を、Q&Aにまとめるときのコツ
材料は、受付で聞かれた言葉そのもの
Q&Aを作ろうとして、ホームページの見出しを順に写していくと、「診療時間について」「アクセスについて」といった、医院の側の言葉の一覧ができあがります。それはそれで役に立ちますが、患者さんが実際に口にする質問とは少しずれています。
電話をかけてくる患者さんは、「診療時間を教えてください」とはあまり言いません。「仕事帰りに寄りたいんですけど、何時まで開いてますか」「土曜も診てもらえますか」と聞いてきます。Q&Aの材料にしたいのは、こうした言葉のほうです。
受付の電話の横にメモを置き、電話を切ったあとに、聞かれた言葉をそのまま一行で書き残してみてください。窓口で聞かれたことも同じように書きます。数日分たまると、同じことを違う言い方で聞かれているのが分かってきます。「駐車場はありますか」「車で行っても大丈夫ですか」「近くに停めるところはありますか」は、どれも同じ質問です。
質問文は、よく出てきた言い方に合わせて書き、ほかの言い方もメモに残しておきます。言い換えの一覧は、あとで答えを見直すときにも役に立ちます。
答えは、最初の一文で言い切る
答えを書くときは、聞かれたことへの返事を一文目に置きます。「駐車場はありますか」なら、「医院の隣に専用の駐車場があります」から始める。停められる台数や、満車のときの案内は、そのあとに続けます。
電話の応対に慣れていると、「お問い合わせありがとうございます」「当院では」といった前置きから書き始めたくなります。話し言葉では自然でも、文字で読む患者さんにとっては、答えにたどり着くまでの回り道です。スマートフォンの小さな画面で読まれることを考えると、前置きは思い切って削ってかまいません。
一つのQ&Aには、一つの話題だけを入れます。初診の流れと費用と持ち物をまとめて一つの答えにすると、どれか一つだけ知りたい患者さんが、長い文章の中から探すことになります。分けておけば、あとで費用だけを書き換えるときも、ほかの答えに手を入れずに済みます。
答えの長さは、スマートフォンの画面でスクロールせずに読み切れるくらいが目安です。書き足したくなったら、それを別の質問として分けられないかを考えます。「初診の費用はどのくらいですか」の答えに支払い方法まで書きたくなったら、「カードは使えますか」という別のQ&Aにする、といった具合です。
医院で決まっていないことは、書かない
Q&Aを書いていると、受付の判断では答えを決められない質問に出会います。「この治療だといくらかかりますか」「痛みはありますか」「何回で終わりますか」。どれも患者さんにとっては知りたいことですが、診察をしてみないと答えられない内容です。
こうした質問は無理に答えを作らず、「診察で確かめてから、歯科医師がご説明します」と書いたうえで、医院で決まっている費用の目安があればそれだけを添えます。治療の効果や痛みについて言い切る書き方は、医療広告ガイドラインの考え方からも避けたいところです。迷った文は、院長に一文ずつ確かめてから載せると確実です。
症状の相談も同じです。「歯ぐきから血が出るのですが」という質問に、受付が考えた答えを載せるわけにはいきません。こうした質問には、お電話か診察で相談してほしいという案内を、Q&Aとして用意しておきます。答えないことを決めておくのも、Q&A作りの一部です。
変わる情報は、見直す日を決めておく
休診日、年末年始やお盆の診療日、担当の歯科医師の曜日。こうした情報は、一度書いたら終わりではありません。古いままのQ&Aが残っていると、患者さんは休みの日に来院してしまいます。何も書いていないより、かえって困ることになります。
変わる情報には、見直す日を決めておきます。長期休みの日程が決まったらすぐ書き換える、月の初めに一度目を通す、といった具合です。担当も決めておかないと、全員が「誰かが直しただろう」と思ったまま時間が過ぎてしまいます。
見直すときは、ホームページの表記とQ&Aの答えが同じになっているかも確かめます。ホームページの診療時間だけを変えて、Q&Aは前のまま、ということが起きやすいからです。
臨時の休診や、担当の歯科医師の急な不在のように、前もって決められない変更もあります。そうしたときにどこを、誰が書き換えるかを決めておくと、慌てずに済みます。Q&Aを書き換えたら同じ日にホームページのお知らせも直す、というように手順を一つにまとめておくのも一つのやり方です。
Q&Aは、受付の答え方をそろえる道具にもなる
Q&Aがまとまってくると、受付の中での答え方もそろってきます。新しく入ったスタッフが電話で聞かれたときに、Q&Aを見ればいつもの答え方が分かる。人によって案内が違う、ということが減っていきます。
ときどき、受付のみんなでQ&Aを読み合わせてみてください。「最近はこう聞かれることが多い」「この答えだと誤解されそう」といった声が出てきたら、それがそのまま次の書き直しの材料になります。
新しいスタッフに覚えてもらうときにも、Q&Aは手元の資料になります。電話の応対で迷ったところに印を付けてもらい、あとで先輩と一緒に答えを確かめる。そうして出てきた疑問の中には、Q&Aにまだ載っていない質問が混ざっていることもあります。
DentHub では、ホームページのURLを入れると、AIがQ&Aの候補を作ります。医院で中身を確かめれば完了です。その後は、患者さんに聞かれて答えられなかった質問が会話ログに残るので、そこに答えを足していくと、Q&Aが少しずつ患者さんの言葉に近づいていきます。
